20150629

第二十回 日本画無料講座 伝統色「朱(しゅ)」「丹(に・たん)」「弁柄(べんがら)」「雌黄(ガンボージ)」日本画画材

きょうは、日本の伝統色である「朱(しゅ)」と「丹(に・たん)」と「弁柄(べんがら)」「雌黄(しおう・ガンボージ)」について紹介したいと思います。

まず、最初に注意すべきことは、これらの絵具は「毒性」が強いことです。
扱いを間違えると健康を害しますので、手洗い場や自然界に流したり絶対にしないでください。
日本画を描くということは自然を慈しむことと同じですので日本画の廃棄物で他の生物を脅かさないようにしましょう。
触れた手で目をこすったり身体を触らないでください。
筆をなめて整えたりもしないでください。
有毒ガスがでますので絶対に加熱して色を整えてはいけません。

※肌に触れるものや、食器類には絶対に使ってはいけません。






「しゅ」といわれ、古くから古墳の壁画や木製品の装飾、陶器の彩色に使われてきました。
朱は大陸から伝わた硫化水銀を成分とする塗料で、呪術的な意味づけもされており、悪いものを寄せ付けない、払うという迷信もあるようで神社仏閣の彩色に積極的に使われてきました。

この朱を作ることにどんな命の危険があったかと思うと、昔の絵具職人の苦労が忍ばれます。

毒性がありますので、使用の際には流しに捨てて廃棄しないように注意しましょう。
念のため、若い女性は指サックをして練ったほうがよいでしょう。
(大学では専用の施設で処理をしていますので専用の洗い場があり流せるのです)


朱を使うことで作品に緊張感が生まれ、岩絵具とは異なった趣が得られます。









「に」「たん」は鉛丹の原石から焼成されたもので、四酸化三鉛を含む顔料で有毒です。
平安時代に柱の朱として使われていました。

毒性がありますので、使用の際には流しに捨てて廃棄しないように注意しましょう。
(大学では専用の施設で処理をしていますので専用の洗い場があり流せるのです)









弁柄

「べんがら」と読みます。赤色酸化鉄で、古くから庶民におなじみの顔料です。
透明水彩ではベネチアンレッドに使われております。
今回紹介しました顔料の中では毒性は低いほうです。









雌黄(ガンボージ)

ガンボージは東南アジア原産のガンボージの樹液で、古代より使われる毒性のある顔料です。
ガンボージは耐光性がありませんので、修復の用途以外で使うメリットはありません。
透明水彩では代替色も販売されていますので、ニューガンボージに膠水を使って代用してもよいでしょう。

捨てる際には流しに流さないようにしましょう。
(大学では専用の施設で処理をしていますので専用の洗い場があり流せるのです)

今は販売していないようです。

少量の膠水を垂らし、墨をおろすように溶いて使います。