日本画無料講座 第一回 日本画必携の教科書
本日の無料講座は、日本画の独学に必要な教科書を紹介します。必携のものから見てまいりましょう。
まず、独学で日本画の基本を知るには「日本画 画材と技法の秘伝集」という本が必要不可欠です。独学でなくとも、日本画教室のお稽古に行かれる際には、この本の内容を知っていたほうが日本画の先生とも話がしやすくなります。この1冊で10年は本から習得する時間がかかります。この本の内容を完全にマスターするにはもっと年数がかかることでしょう。「日本画 画材と技法の秘伝集」には日本画の基本中の基本(といっても高度な技術)がぎっしり詰まっています。
目次
1. 日本画の描き方のおすすめ本 メインテキストの紹介
次に紹介しますのはその他の日本画メインテキストとなる本です。
こちらの本は安価で日本画に興味のある入門者に人気が高く手軽に日本画をはじめようという人におすすめです。
腕に覚えのある方は、京都造形芸術大学の日本画講座の本がおすすめです。すでに絶版となっているこの本ですが、描き方というよりは高度な作者の考え方が書かれています。
こちらの本はかつて京都造形芸術大学のテキストとなっていた本です(今はどうか知りませんが)。日本画との向き合い方や表現の方法についての考え方が詳しく載っています。しかし大学なので自由を重んじるためこうでなければいけないというような事は決して書かれていません。この京都造形芸術大学の「日本画を学ぶ」は複数の先生が実際にどんな思いでご制作を書かれています。そして毎回デッサンはそこそこ上手なのに構図がイマイチな作例を挙げられています(笑)おそらくその作例を見るだけでどうしてその構図がよくないのかわかります。日本画の構図に悩んでおられる方におすすめの本です。彩色もとても勉強になります。まったくはじめての人には理解が難しい本なのである程度日本画の勉強をおすすめになられている方におすすめの一冊です。
以下に紹介しますのは武蔵野美術大学のかつての教科書です(今はどうか知りませんが)。
もしも本気で日本画を独学で学びたいのであれば芸術大学に通われたことのある人から本物の教科書を譲り受けられることをおすすめします。
2.日本画のサブテキストの紹介
「図解 日本画用語事典」はサブテキストとしておすすめの一冊です。この本は日本画と文化財の修復について必須の知識が収録されています。筆者の書評は後の「図書レビュー「図解 日本画用語事典」東京芸術大学大学院文化財保存学日本画研究室編」にてレビューしておりますので参考にしてください。
3.日本画各論の教科書(花鳥風月)
日本画の花鳥風月や人物画の教科書を紹介します。おそらく日本画を描くうえでもっとも読み返される本になると思います。独学には必携の本です。花を描く
日本画といえばまずは花を描きたいと思われることでしょう。ほんとうに描きたい物があってもまずは手近な花が入門の題材として最適です。著名な先生方が描き方をご披露なさっている本です。すでに絶版となり貴重な本となりました。そのうち入手困難になると思いますので古本でも今のうちに買っておかれたほうがよいと思います。ほんとうにおすすめの本です。近現代の日本画の描き方を知ることができます。
描くシリーズ
2016年に日本画の描くシリーズが新しく刷新されましたので紹介したいと思います。同シリーズは絶版となった旧版の古本も安価に入手することが可能です。筆者もいつかは一度くらいは目を通しておきたいと思っています。
描くシリーズは以上になります。あれもこれも日本画で描いてみたいという気持ちは私にもありますが、日本画の場合はどれかジャンルを絞らないとなかなか精進しづらいところがあります。どちらかというと風景や植物を描く人は人物や動物のジャンルはあまり描かれないような気がします。さらに日本画の技法を知る
以降に紹介します本は私も読んだことはありませんが、著者の考え方や描き方を知ることでより作品の表現方法を学べる機会があると思います。私も余裕があれば様々な本を手に入れたいところです。
「思い通りに描ける 日本画 上達のコツ」はKindle(Unlimited)で読める本です。
「日本画と材料 近代に創られた伝統」はいつか筆者も買い求めたいと思っています。
まとめ
日本画を独学で学ぶために欠かせない本を筆者がリストアップしました。特に一番最初に紹介しました本は日本画教室でもはじめに習うようなことが書かれていまして高齢になるとそれがまた覚えにくく何度も先生に同じこと(膠の分量)を質問して覚えられない生徒さんも多いです。さすがに10年くらいすれば覚えがよくなるかというと、歳をとるものですからさらに覚えが悪くなります(笑)日本画を習うにあたり、どらか一冊は描き方の本を持っておきたいものですね。ちなみに筆者も最近(日本画をはじめて10年以上が経過している)になって習いたいと思った先生の本を初めて買いました。みなさんにとってよき師となる一冊に巡り合えますように。