20170630

図書レビュー「図解 日本画用語事典」東京芸術大学大学院文化財保存学日本画研究室編

図解 日本画用語事典のレビュー

独学で日本画をお学びの皆さんのために今日は東京美術出版の東京芸術大学大学院文化財保存学日本画研究室編集の「図解 日本画用語事典」(2009年第三版)をレビューしたいと思います。監修者のお名前には故平山郁夫先生や田淵俊夫先生などたいへんご高名の先生方が名を連ねておられます。結論から言いますと、日本画を長くお続けになられるなら一冊は手に持っておきたい必携ともいえるおすすめの本ですが、字がたいへん小さいので三十代後半からの人にはたいへん読みづらい本となっています。どれくらい字が小さいかというと、三十代の私ですら頭が痛くなるほど本文が小さい2mmくらいの大きさです。

日本画用語事典
日本画用語事典の表紙

ではさっそく中身の閲覧といきましょう。

日本画用語事典目次

日本画用語事典目次

この本の構成は主に三部とあとがきから成っています。日本画という漠然としたカテゴリと絵具や道具の説明と、模写修復と保存です。日本画を楽しく描くだけの人にはあまり必要性のない本かもしれませんが、描くだけでも知識がもっと欲しいという人にとっては文化財の修復の知識を知ることも必要ともいえるでしょう。

内容は専門的となっていてフレスコなど一見して日本画とは関係のない用語の説明まであります(が日本画への理解を深めるためには必要な知識です)。ひとつの用語につき大体1行から3行でまとめられており、紅花や裂など日本画には必要がなくても文化財を知るために必要な用語がずらりと並んでいるので日本の博物展を見に行く際にお連れ様に知ったかぶりを披露して呆れられるほどの知識が得られます。

冒頭でも述べましたように、この本はたいへん字が小さいです。ぱそこんでいえばこれくらいの大きさで読むようなものです。よく高齢のお偉方がこれでよいとゴーサインを出したものですね(苦笑)学校の教科書でもこの文字の何倍も大きいですよ・・・。辞書みたいに字の小ささを真似しなくてもよかったのに・・・。ちょっと見るだけで目がかすみますので熟読すると目が悪くなります。

一応は絵具の練り方や膠の溶かし方も小さく載ってますけど、既に日本画を描かれている人にとってこれらの方法は当たり前のことですね。金箔にポマードも明治時代あたりからの既知の方法ですが金箔講習に行っておられない方には制作のヒントになると思います。

これは間違いなく日本画でもたいへん勉強になる本です!

もっと文字が大きかったらなぁ。

価格は定価3,500円+消費税です。
ISBNは978-4808708191です。

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ちょーっと値段が高くて私のような1枚も作品を売ったことのない貧乏日曜画家には手を出しづらいですね。そんな時はお近くの図書館に同じ本が置いてあるかもしれません。

どうでしたか?今回のレビュー記事は(貧乏な)日本画の学習者の視点でわかりやすかったでしょうか。よかったら本を買って行ってくださいね。