新岩絵具となると先生に同じ色名でも持っている色と全然違うという怪訝な顔をされるときがあります。筆者も困惑している状況に変わりありません。どうやら絵具は製造時期によって同じ名前でも色が異なるようです。
有名なナカガワ胡粉のほかには吉祥というメーカーの岩絵具がありまして、吉祥もまた新岩絵具で天然では得難い色を作られています。ナカガワ胡粉のほうは商店に瓶で卸して量り売りをされていたり小瓶入りのたくさんの色がずらりとお店においてありますね。
画材店で日本画絵具の小瓶がずらりと並んだ光景は日本画家にとっては唾涎ものですね。
ナカガワ胡粉株式会社
明治30(1867)年に創業された会社で京都府の宇治市に本社があるようす。日本画の絵具メーカーとしては最大数の色を作られています。(会社概要から引用)
日本ではじめて新岩絵具を発明された会社のようです。
ナカガワの小瓶入り岩絵具の取扱店
株式会社吉祥
古くは明治43(1879)年に遡るそうです。初代は松吉商店として和紙・染色材料・美術書籍を扱っており、昭和45年から日本画チューブ絵具と水干絵具の製造販売をはじめ、昭和50年に社名を「株式会社吉祥」に改められたそうです。画材小売業のほうは昭和54年に「松吉画材」に改め画材やオフィス用品を扱っているそうです。
(会社概要から引用)
吉祥の小瓶入り岩絵具の取扱店
吉祥の小瓶入り岩絵具の取扱店
絵具屋三吉・ウエマツ
「よくわかる今の絵画材料」によると、昭和7(1932)年に「上松大雅堂」から上田氏が独立起業したお店です。京都造形芸術大学のHPによると、絵具屋三吉とウエマツ画材店の社長は同じ上田邦介氏という方で、皆さんもご存じのように「絵具屋三吉」というネットショップも営業しています。樹脂の日本画メディウムは三吉のオリジナルで珍しい砂も扱っています。
放光堂
京都に行かれるときは、一度は訪れてみたい、天然の岩絵具を作られて販売しておられるお店です。庶民には買えない絵具ばかりで高級品です!ホルベイン工業株式会社
ホルベインも近年日本画絵具に参入しました。ホルベインは優彩という水晶末に耐光性のある顔料でコーティングした日本画用絵具を製造・販売しています。
いずれも耐光性、耐久性の評価については非公開のようです。
ホルベインの優彩を扱っています。