20150722

第二十八回 日本画無料講座 膠の製造所 日本画画材

きょうは、膠について一緒に学びたいと思います。 

あるとき、三千本膠、濁りが気になったことはありませんか?
 ここぞというところで「あっ」というような膠のシミの地図になってしまいがっかりしたことがあるでしょう。
・・・今とはってはいつもより接着力の弱い膠があったりして手作り品の膠はすっかり思い出となりました。
そんな膠ですが、なんと昔の膠はもう少し透明度があったそうなんです。

 日本の和膠の生産は数年前、一時期深刻な危機に陥っていました。 
膠を作っていたところが閉店したのです。 
それまではふんだんに買えた三千本膠も、いまでは5本までしか買えません。 
思えば筆者はもったいない使い方をしておりましたが、それ以来、三千本膠は1本分を5個以上に小分けにして冷凍保存して使うようになりました。
 そんな膠について調べてみました。






近年新発売された三千本膠「飛鳥」 

今は三千本といえば一般人にはこの商品しか入手できないようです。








膠の製造所



 日本ゼラチン・コラーゲン工業組合

 www.gmj.or.jp
 膠を作っているところを探すならココ。




 宏栄化成株式会社 兵庫県姫路市

 www.koei-chem.com
 魚膠を作っている会社です。
 魚膠、日本画にも使えそうですね。




 墨運堂 奈良県

 www.boku-undo.co.jp
 鹿膠を作っているお店です。
 画用膠もあるようです。



 寺脇工業 兵庫県姫路市

 www.terawaki.jp
 洋膠を作られているようです。





馬場健商店
www.babaken.co.jp
昔ながらの膠を知る商店です。
HPに三千本と京上の違いについて書かれています。



清恵商店
日本で最後の三千本膠を作っていたところです。
閉店されました。


サン・オリエント化学
パール膠を作っていたところのようです。
何年か前に倒産したようです。


フェイスブック 膠の研究室
膠の昔について知ることができそうです。



膠の備忘録

牛膠だけが日本画用の膠ではなく、昔はさまざまな動物や魚の膠が作られ用いられていました。
よくわかる今の絵画材料」によると、なんと犬もトサツして膠にしていたようです!
今は動物は希少になり獲物ではなく保護対象であり、
家族の一員として可愛がる文化ですから、
愛玩動物で膠を作っていた(る)とはショッキングですね。
面相筆で重宝されますイタチも実にかわいい顔をしております。
筆なども小さな動物を殺して作ってますから・・・心が痛みます。
羊みたいになんとか毛だけをいただくことはできないのでしょうか。
考え直してほしいものです。
動物を殺さず作る筆、ぜひお願いしたいですね。
魚膠 ウサギ膠

話題は膠に戻り、
たまに○○じゃないと日本画じゃない!なんて人もいますけど、今使われている画材は昔のものとは全然違うのです。
昔の素材で日本画を描こうと思えば5年で車が買えてしまうかもしれませんね。


青木芳昭という先生が膠のレシピを考案されたようなので、ご著書を紹介したいと思います。
よくわかる今の絵画材料―絵画素材の科学  よくわかる今の絵画材料―絵画素材の科学

膠の事情と新しい洋膠のレシピについては「よくわかる今の絵画材料―絵画素材の科学」の第一章に詳しく書かれています。

みなさんもお手元にとってお読みになってください。