20150908

第三十一回 日本画無料講座 日本画岩絵具の1両で塗れる範囲、どれくらい塗れるか?

Q.日本画絵具の1両で塗れる範囲はどれくらい?

日本画の絵具を買う際に、何両買えばよいのかという問題があります。
今日の日本画講座では、この質問に対し回答したいと思います。

A.日本画絵具の1両(15g)で塗れる範囲は粒子番号や作風によって異なります

岩絵具には粒子番号があり、1番に近いほど粒子が荒く、13番に近いほど粒子が細かく、白番がもっとも粒子が細かい日本画絵具になります。

白番で塗れる範囲は私も(このような講座を開かなければならないほど貧しいので)測ったことがありません。今のところ一度購入してから白番がすぐにしまえるということはありません。白番は意図的にひび割れを生じさせる目的でなければ大量に絵具を使こともありませんので、長く使える特徴があります。予算がなくて薄塗りでがんばりたい人に恩恵のある絵具です。(もっと節約したければ水干絵具がおすすめです)

白番が広い面積を塗れる一方で、粒子の荒い番号は一両で狭い面積しか塗れません。刷毛に荒い絵具を取ったらもったいないくらい刷毛の毛の中に付いたまま残ります。粒子番号の小さな荒い岩絵具は使い方によっては長持ちしますが、普通の絵具のように面積を荒い粒子番号のみで塗ろうとすると家計が傾き生活が苦しくなります(笑)

10番も早く絵具がしまえますので、広い面積に必要な色は11番や12番あたりで得られたほうが10番よりも少しは長持ちします。荒い粒子の絵肌(マチェール)を出したいのであれば、方解末という安価な荒い粒子の絵具を塗ってから、粒子の細かい絵具を重ねることをおすすめます。あるいは粒子の荒い絵の具は仕上げにだけ使ったり、庶民は節約するしかありません。

大体、30号以上のサイズになりますと、1両では足りなくなる場合があります(白番の薄塗りでは足りるかもしれません)。50号となると、まずよく使う色は3両ほど準備しといたほうがよいと思います。参考になるかどうかはわかりませんが、広い面積を安価に塗りたいときははじめに水干絵具を使います。

一度に広い面積を塗るときほど(庶民は)粒子の細かい絵具が必要になります。