20160510

第三十三回 日本画無料講座 背景づくり 実演あり

日本画の岩絵の具で背景を塗る方法 日本画の描き方

第三十二回の日本画の描き方講座では、地塗り後の初期の背景づくり、下塗りの1回目をご紹介しました。第三十三回の日本画の描き方無料講座は背景づくりについてご紹介したいと思います。

岩絵の具で何層かの塗りを重ねる日本画の魅力

現代日本画の標準的な描き方(どこの大学でも学ぶ塗り方)についてです。地塗りといって和紙に一度目の色を塗り、その次の下塗りで何となく物のアウトラインがわかるような塗り方を前回はご紹介しました。今回はその次、大体下塗りから3回目くらいに塗る方法をご紹介したいと思います。もちろん私の描き方ですので、万人に共通する描き方ではないかもしれませんが、日本画の描き方の本にも背景づくりに触れているご著書がありますので、その内容とほとんど同じことを述べたいと思います。でも私の日本画の描き方の説明のほうがちょっと詳しいかもしれません(*^^*)

日本画の描き方-岩絵の具での背景の塗り方
日本画の描き方-岩絵の具での背景の塗り方

これは現在製作中の筆者の日本画の画面の一部です。全体をお見せしたいのは山々なんですが、完成後は公募展に応募してみたいなという気持ちもあって部分的な公開となります。

ある本(タイトルは忘れました)では地塗り後の一回目で朱で線画を描いたり、濃淡を先につけてしまうという描き方もあるようです。それは他人様の描き方なので、いつかやってみたいと思いつつも作品の雰囲気に合わないので今回は遠慮しておこうと思います。

私は背景に定番の肌色のような色を地塗りとして1回目に塗りました。そして2回目にはやや白っぽい色を下塗りとして背景に塗り日本画の絵肌を少し整えました。植物の葉には緑を軽く塗りましたが思うところがあり気に入りませんでした。この写真を見てみると、肌色、白色、緑の面影が見えることでしょう。そして今回の3回目はどの色を塗ったかわかりますでしょうか?3回目ともなると全体の雰囲気を決める色をいくつか画面全体に塗ってみてどんな具合か考えながら日本画岩絵の具を6cm幅くらいの刷毛で塗っていきます。電気を消して暗い部屋で見たほうがわかりやすいかもしれませんね。3回目に塗った色のひとつは小豆の色のような暗い色です。先生はこれを見てあ、汚いと一瞬思われたようで、私もちょっと失敗したかなとヒヤリとしました。私は悩むといつも汚い色を使ってしまう癖があるんですけどね。しかし画面が乾いてみるとそんなに悪くはなくて、濡れている時のほうが茶色が濃く見えていただけでした。なぜ茶色のような汚いと思われるような色を塗ったかといいますと、やっぱり美しい画面でもそういった地味な色がないと画面に締まりがでないからです。もちろんペタペタとペンキで塗ったような画風の方には必要のない塗り方ですが、今回はちょっと扱いにくい緑を控えようと途中から思いまして、実は茶色を緑のかわりに使ってみようかと模索したこともあります。もちろん茶色を使いましたのは画面で影になる部分だけです。私も当初はパステル調でいこうかと茶色を使わないように思ったんですが、それでは今回の作品のモチーフが本来持っている雰囲気に合わない、パステル調などはよっぽど隙のない構図じゃないと使い難い、つまり日の丸構図のような構図やパターン化したような構図や小品といった単純化できる絵以外では何がなんだかわからない絵になってしまうということもあります。

さて、かなりコツを教えてしまったような気がしますが学習できましたでしょうか。学んだところがあれば、ついでにリンクからお買い物でもしていってくださいね(*´ω`*)ほとんどアクセスのないこのブログですが、滅多にない反応があるとやっぱり嬉しいです。

ああ、そうそう、私、もしも本物の職業画家になったらw?画家なんて絶対に名乗りたくない!と思う。だって恥ずかしいもの。遊んでお金を貰うなんて恥ずかしいに決まってる!どんなに四苦八苦したってたいへん立派な使命感があったって結局は遊びだもん。