20160522

第三十四回 日本画無料講座 平筆は安物に限る理由

日本画の描き方講座 平筆は安いものがおすすめ

みなさんが日本画を始められる時にまず買われる筆のひとつに平筆があります。特に以下に挙げるような何とか堂の平筆といった風に筆職人が丹精込めて毛の一本一本を揃えた上等の筆を手にしたくなるというのが人情です。かくいう私も一本くらいはと、上等な筆を買ったものでした。

高級品の平筆、見てると欲しくなりますよね(^^)
でもね、これは岩絵の具を扱う際にはあまりおすすめじゃないんです。
岩絵の具はガラス粉末や鉱物を細かく砕いた粉ですから、透明水彩絵の具やチューブ日本画絵具、顔彩絵具のように粒子が細かくありません。

考えの早いお方ならもう日本画の平筆に高い筆をおすすめしない理由は察していただけたかと思います。

このような高級絵筆を長く使い続けられるのは、日本画のチューブ絵具や顔彩、白番など粒子の細かい絵具のみを扱う場合です。


実はこれくらいの安物が日本画の平筆としてはおすすめなんです。
もちろんお金持ちの方は高い平筆を買われることでしょう。
しかしそれ以外の大多数のお方には安い平筆をおすすめします。

筆は消耗品です。

つまりすぐにダメになってしまうということです、特に平筆は。
面相筆は結構長持ちしますけど、日本画では平筆の消耗速度は面相の比じゃありません。
日本画では平筆のストローク回数は多いですから、すぐに筆が削れて短くなってしまうのです。
そういうことで、日本画の平筆は安物の羊毛がおすすめです。

私も自分にご褒美と、高い平筆を買いましたが、すぐに筆が日本画絵具で削れてしまい、たいへんがっかりしました( ノД`)
日本画用の平筆のサイズは3~8号あたりがおすすめです。